歴史のあるコンバースの中でも、ファッション初心者からアディクトまでが好んで愛用するのがオールスター。
USA製・日本企画・復刻などとたくさんの種類が生まれていますが、その種類やラインを一気にご紹介していこうと思います!
こんにちは!
古着屋店員の「fukusuke(@fukusukeblog)」です!
今回はみんな大好きコンバースのオールスターについて、細かく紐解いていこうと思います。
オールスターにも色々な種類がある!?
さて、皆さんが知っている今のコンバースのオールスターと言えばコレですよね↑
シュッとしたフォルムとモノトーンで抑えられたカラーリング、そしてアンクルパッチのデザインが最大の特徴でしょう。
上のハイカットの物とローカットのモデルがありますが、どちらもまとめてオールスター言う場合がほとんどです。
何十年も変わらない普遍的なデザインではあるのですが、実はコレ、昔と比べて変わっている所がいくつかあったりします。
その理由と言うのも、年代によってもディテール(デザイン)はちょくちょく変わっているのですが、生産国や生産企画によっても違いがあるからなんですね。
そして、そのモデルによって価格も大きく違ってきます!
ちなみに上の画像の物は、ABCマートなどでも売られているごくごく一般的なモデルですね。
名前は「ALL STAR HI」とかなりベーシックな名称。
日本では一番手に入りやすいモデルになります。
それでは、これからモデル毎の違いを詳しく説明していこうと思うのですが、まず前提としてひとつ知っておいてもらいたいことがあります。
コンバースは日本企画とUSA企画の2種類ある!?
実はコンバースを作っているオフィシャルの会社は世界に2つあるんです。
ひとつは皆さんにお馴染みの日本企画、「コンバースジャパン」ですね!
もう一つはと言うと、服好きなら知っている方も多いであろう「コンバースUSA」
どちらかが偽物と言うわけでなく、どちらとも正規です。
2つもあってややこしいと感じると思うのですが、もちろん理由があります。
それは商標権の問題です。
オールスターを作っていたコンバースは2001年に倒産してしまいます。
そして、2002年に日本のコンバースの総販売代理店を伊藤忠商事が買収。これが後の「コンバースジャパン」となるんですね。
その後、2003年にそれ以外の国のコンバースをナイキが買収しました。これによって「コンバースUSA」という海外企画が出来上がり、コンバースの会社が2つに分かれる結果となってしまうんです。
また、「コンバースUSA」の方が服好きから人気がありますが、その理由として、デザイン面の影響もあるでしょうが、入手のしずらさも大きな要因です。
なぜ「コンバースUSA」が手に入りにくいのかと言うと、日本のコンバースは「コンバースジャパン」が商標権を持っています。
商標権があることで、「コンバースUSA」の商品には販売規制がかかっており、日本では基本的に販売できないからなんですね。
個人レベルでの売買なら、ヤフオクやメルカリなどですることはできるのですが、お店での取り扱いなどが困難だという事です。
ですので、日本国内で「コンバースUSA」を取り扱っているお店はなく、入手するならネットオークションやフリマ又は中古品を取り扱っている古着屋さんしかありません。
そういった簡単には手に入らない状況が、よりファッションフリークを熱狂させるのでしょう。
まとめると、コンバースには正規の会社が2つあって、それは「コンバースジャパン」と「コンバースUSA」である。ということ。
そこに「2001年以前のコンバース」を加えた3つに分けて考えると、コンバースのモデルやラインが理解しやすいはずです!!
また、この記事では
「2001年以前のコンバース」
「コンバースジャパン」
「コンバースUSA」
の順に紹介して行きます。
コンバースを見分けるにはヒールパッチを見る事!!
「ALLSTAR」の種類を見分けるための一番のポイントはヒールパッチです。
上の画像の様なかかと部分に付けたられた「ALL★STAR」と書かれた部分の事ですね。
この書体やデザイン・書かれている文字を見分ける事である程度の年代判別やモデル判別が可能。
もちろん、違いはそれだけではないですが、歩いている人の足元を見るだけでも大方の予想は立てられるでしょう。
それでは次から細かいモデル名や種類などをご説明していきます!
倒産前のコンバース オールスター
では倒産前のコンバースのオールスターから見ていきましょう。
今ではヴィンテージと呼ばれるものですね!
上でご説明したコンバースの一番分かりやすいポイントである、ヒールパッチの画像を載せておきます。
現代からさかのぼって順にご説明していきますね。
画像 | 年代 |
70年代後半~2001年 | |
70年代前半~70年代中盤 | |
60年代中盤~70年代前半 | |
50年代後半~60年代前半 | |
50年代以前 |
70年代後半~2001年
70年代後半から倒産する2001年にかけてまで使われていたのがこのヒールパッチ。
白地に黒の文字で「ALL★STAR」と書かれており、下に小さく「MADE IN U.S.A」と書かれているのが一番の特徴です。
もっと細かい年代識別も他のディテールと照らし合わせながらなら可能ですが、今回は大まかな年代だけのご説明にしておきます。
90年代の物でも状態の良い物やデッドストックなどのゴールデンサイズ(26~28くらい)だと2万円以上の値段が付いたりもします。
ちなみに80年代に生産国がUSA製からアジアに切り替わったとされています。
70年代前半~70年代中盤
ここから70年代以前の物になってきますが、この年代より昔の物が非常に希少価値が高いものになってきます。
一つ星とも呼ばれていて、大きな星が真ん中に一つあるデザインの物ですね。
「MADE IN」と「U.S.A」が左右に分かれているのも特徴です。
また、チャックテーラーと呼ばれるのもこの年代より前の物ですね。
基本的にオールスターとチャックテーラーの違いと言うのは年代の違いで、40年代~70年代のヴィンテージのオールスターの事を言う場合が多いです。
後でご紹介する復刻のチャックテーラー(CT70)は70年代のディテールを再現した物にもなっています。
価格は多少状態があったとしても4万円~6万円ほどとかなり高額に。
お店によって、または状態・サイズで大きく価格は変わってきますが、大体このあたりでしょう。
60年代中盤~70年代前半
こちらは3ツ星と呼ばれるヒールパッチ。
大きな星が真ん中に一つと左右に1つずつ小さな星があるのが特徴です。
60年代~70年代にかけて使われていたもので、より希少価値が高く、ネットでの取引もかなり少ないです。
中古相場もかなり出しにくいのですが、状態のあるものでも2万~4万、保存状態が良い物だと10万以上で購入する人もいるでしょう。
50年代後半~60年代前半
こちらは通称「斜め三ツ星」
3つの星が斜めに配置されているのが特徴です。
中古相場がほとんどないため、時価といったところでしょうか。
50年代以前
斜めにチャックテーラーの文字が入ったヒールパッチ。
50年代に使われていた物で、この頃でも文字のちょっとした違いで細かい年代判別が可能です。
自分も現物を見たことがないので、ヴィンテージのショップにでも行かないとお目にかかれないと思いますが、コンバースファンなら一度は見てみたいヒールパッチでしょう。
以上がヴィンテージの年代毎のヒールパッチになります。
なぜヒールパッチに絞って見たかと言うと、このヒールパッチを見ておくことで、この後紹介するモデルが分かりやすくなるからです。
これから紹介するモデルはこれらヴィンテージの延長線上の物や復刻の物ばかり。
ディテールを真似ている物がほとんどなので、これらを覚えておくと現代のモデルもすんなり入ってくると思いますよ!
コンバースジャパンのオールスター
まずはコンバースジャパンの企画するオールスターから。
日本で販売されているので、入手しやすく物によってはABCマートなどの量販店でも取り扱いがあります。
モデルによってはブランド価値を高めるために、量販店では取り扱っていない物もあるので注意です。
画像 | モデル |
ALL STAR HI | |
MADE IN JAPAN | |
ALL STAR 100 | |
ALL STAR 100 KATAKANA | |
| ALL STAR 100 GORE-TEX |
| CONVERSE ADDICT |
CONVERSE ADDICT GORE-TEX |
converse ALL STAR HI (コンバース オールスター ハイ)
コチラが、現行のコンバースの中でごくごく一般的なモデルです。
ナイキやニューバランスなどのスニーカーと比べて、ソールが薄く、歩きにくいという意見が多く、長時間の歩行には向いていません。
しかしながら、定番スニーカーとしては格安の5,000円ほどで買えるとあって、履きつぶせるスニーカーとしての需要が高いですね。
モデルを見分けるときも、年代と同じくヒールパッチを見ることである程度の識別が可能。
このベーシックなモデルは白地に「ALL★STAR」とだけ書いてあるだけのいたって普通のデザインだと覚えておきましょう。
MADE IN JAPAN
日本企画であり、日本製のコンバース。
上質なキャンパス地を使用しており、シューレース(靴紐)もアクリルからコットンになっています。
より高級感のある見た目と上質感が味わえる作りですね。
コチラのモデル、ヒールパッチに一目で日本製だと分かるように「MADE IN JAPAN」という文字が書かれています。
70年代~2001年にかけてのヒールパッチに似ていて、「U.S.A」の部分が「JAPAN」に変わっていると覚えるといいでしょう。
価格は12,000円程と、通常モデルの倍以上の価格。
ですが、歩行性や見た目、そして耐久力がベーシックなモデルとは全く違うと言っていいでしょう。
ALL STAR 100
コンバースジャパンがオールスター100周年を記念して発表したのがこの「ALL STAR 100」
ベーシックなモデルと比べるとスペックが大幅に高まりました。
コンバースオリジナルと「REACT」というカップインソールを使用しているので歩行性が大幅にアップ。
また、アイレット(紐を通す穴の金具部分)をコーディングすることによってシューレースが汚れにくくくもなっています。
シュータンが分厚いのも特徴ですね。
そして、ヒールパッチは70年代のチャックテーラーを復刻したかのような一つ星。
一つ星のディテールは70年代のヴィンテージか、この100周年モデルでしか使われていないデザインなので判別には持ってこいのポイントでしょう。
また、このモデルで一番驚いてほしいポイントはその価格。
ここまで作りこまれているのにも関わらず、7,000円~9,000円ほどと、かなり格安です。
コンバースの商品の中で一番コスパに優れているモデルなのではないかと個人的には思っています。
ALL STAR 100 KATAKANA
上の「ALL STAR 100」のアレンジモデルがコチラの「カタカナシリーズ」
アンクルパッチとヒールラベルに左右対称にカタカナがちりばめられた面白いモデルです。
ヒールラベルはこのように片方だけカタカナに!
価格は「ALL STAR 100」と変わらず7000~8000円程となっています。
ALL STAR 100 GORE-TEX
コチラも「ALL STAR 100」のアレンジモデルである「ALL STAR 100 GORE-TEX」
防水透湿性の高機能素材である「GORE-TEX」をライニングにあしらったモデルです。
消臭抗菌加工を施したメッシュライニングやヒールラベルのプリントはがれを防止するためのコーディング加工など、汚れに対する機能性を大幅にアップさせたオールスターになっています。
その分、価格は15,000円(+税)と100周年の通常モデルと比べて倍以上の価格に。
しかしながら、長持ちすることを考えれば決して高くはない値段でしょう。
CONVERSE ADDICT(コンバースアディクト)
コンバースジャパンが生産する最上位ラインがこの「CONVERSE ADDICT」
インソールにはE.V.A.製のクッション性の高いカップソールやアウトソールには機能性に優れたVibram社製のソールを採用しており、歩行性に難があるオーソドックスなオールスターとは一線を画す履き心地の良さがあります。
もちろん、コンバースジャパンが最上位として打ち出しているラインはそれだけではありません。
デザイン面は60年代のオールスターを再現しています。
ヒールパッチは人気の高い3つ星。
そして、60年代のオールスターに見られるシュッとした細いシルエットと、コットン素材のシューレース。
そしてそして、両サイドの当て布を縫い合わせたアーチ状のステッチが完全に復刻モデルと呼んでいいくらいのディテールを作り上げています。
昔のデザインで現在の高機素材が使われたオールスター。
オールスターファンからすれば願ってもないアイテムなのではないでしょうか?
価格は17,000円(+税)とコンバースジャパンが出すオールスターとしては最高価格です。
CONVERSE ADDICT GORE-TEX
コンバースアディクトシリーズの中で2017年から展開されるようになったが「GORE-TEX」素材を使用したモデルです。
こちら、100周年のGORE-TEXモデルとは違うものになりますので、混合しないようにご注意を。
アディクトシリーズという事で、60年代のヴィンテージ漂うデザインと歩行性の高いソールを使っているのはもちろん、それにプラスして高機能素材である「GORE-TEX」も使用すると言った至れり尽くせりな一足に仕上がっています。
生産数が多くはないので、発売直後に即完売し、プレ値が付くほどとなってしまっています。
2017年にハイカットモデルが発売され、今年は5月にローカットが発売されましたが、こちらもすでに完売してプレ値に。
18年発売のローカットモデルが未使用品だと中古相価格は3万~3万5000円程。
17年のハイカットモデルは5万円近くまで価格が跳ね上がっています。
元の価格は22,000円(+税)ですので、かなりの人気がうかがえますね。
以上が、コンバースジャパンが生産している主要モデルになります。
CONVERSE U.S.A. のオールスター
続いては、コンバースUSAが企画しているオールスター。
コンバースマニアによってはこのUSA企画こそがコンバースであるという方も少なくなく、買うならUSAモデルという方が後を絶ちません。
その背景には過去のチャックテーラーを細部まで再現した作り込みとナイキの技術を駆使した歩きやすソールにあると思われます。
ナイキの生産背景を利用できるというのはかなり大きな利点ですよね!
そんなマニア心のをくすぐっているUSA企画の代表モデルが「CT70」です。
「CT70」は70年代のチャックテーラーのディテールを忠実に再現したモデルになっており、古き良きチャックテーラーを現代に蘇らせたモデルと言っても良いでしょう。
また、CT70には2つのラインがあり、少しづつディテールが異なりますので、その2つの違いも見ていきましょう。
画像 | モデル |
CONVERSE USA FIRST STRING | |
プレミアムライン | |
CTAS PRO HI(cons) |
CONVERSE USA FIRST STRING(ファーストストリング)
生産数を極端に絞って展開しているこの「リミテッドライン」
日本では後述する「プレミアムライン」よりこちらの方が人気がありますね!
70年代のチャックテーラーを再現しているので、ヴィンテージがかったトゥのオフホワイト感とサイドステッチが何とも嬉しいディテールですね。
ヒールパッチは3つ星となっており、これは日本企画のアディクトとヴィンテージの70年代だけです。
CT70の判別方法としてはアウトソールがヴィブラムソールだとアディクトで普通のソールだとCT70と思ってもらえると良いかと。
ヴィンテージは見ればある程度年代物だと分かるとは思うのですが、普通のアウトソールの物にこちらのインソールが入っていればヴィンテージの物でしょう
価格は企画元のアメリカでは8000円か、セールなどでそれ以下で購入できるのですが、商標権の問題で輸入が規制されている日本では二次流通価格で12,000円~20,000円とかなり高額となっています。
ですので、お得に手に入れるなら海外に旅行に行ったときなどに購入するのが良いでしょう。
転売目的で購入する方も多いようですが、あまりに多く買ってしまうと税関で取り上げられてしまうかもしれません。(商用利用だと没収される可能性があるそうです。)
ですので、1.2足購入するのがベストな選択なのではないでしょうか!
プレミアムライン
続いてコチラがCT70のプレミアムライン。
「ファーストストリング」と何が違うかと言えば、外見上はヒールパッチだけ!
現行のオールスターの様なヒールパッチとなっており、人気も「ファーストストリング」と比べて少々劣ります。
日本での二次流通価格も10,000円~17,000円と価格面でも人気の差がうかがえます。
また、「ファーストストリング」との違いで、箱にも違いがあるので画像を載せておきます。
左が「ファーストストリング」で右が「プレミアムライン」になります。
CTAS PRO HI(cons)
最後に、こちらもUSA企画のオールスター。
スケートボードラインとして誕生した「CONS」ですね!
ワンスターを古着屋などでたまに見かけることもあると思うですが、オールスターのCONSあります。
「CONS」の大きな特徴としてはナイキのLUNARLON(ルナロン)ソールを搭載した非常に歩きやすく疲れにくいモデルとなっています。
疲れやすいオールスターとは一線を画す、スポーツ向けのスニーカーに生まれ変わったと言えるでしょう。
ヒールパッチには「CONS」の文字が入っているので判別には持ってこいのポイントです!
価格は日本での二次流通価格で7,000~12,000円と言ったところでしょう。
終わりに
以上になります。
かなり長くなってしまいましたが、コンバースのオールスターに絞ってモデルを紹介させていただきました!
こうして紹介してみると、かなり多くのラインを展開していて、モデル判別も難しいだろうなと感じました。
もし、オールスターについて知りたくなった時にこの記事を読んでいただけたら嬉しく思います。
また、その時はヒールパッチに注目して見ていただくとモデルの判別がかなりしやすくなると思うのでぜひ試してみて下さい。
僕自身、どのコンバースが最高だと言うつもりはありませんが、自分の仕様用途に応じて選んでいただけたら嬉しいと思います。
また、日本企画とUSA企画のオールスターではどちらも一長一短あるはずです。
どちらが良いというのではなく、どちら共の良いところを見つけていただければ服好きとしては嬉しく思います!
他にもブランドやヴィンテージの年代判別の情報などを掲載しておりますので、ぜひご一読下さい!