服好きから古着好きまで根強い人気を誇るブランド、バブアー。
今回はそんなバブアーの年代を判別する方法についてヴィンテージから現行品まで分かりやすく説明していきます。
こんにちは!
古着屋店員の「fukusuke(@fukusukeblog)」です!
洋服には年代を推測するのが難しいブランドから簡単なブランドと色々あるのですが、今回紹介するバブアーは意外と簡単に年代を細かく特定できるブランドなんです!
また、今回の記事はヴィンテージのバブアーだけでなく現行の年代も細かく特定することが出来るので、新しいバブアーの年代も簡単に推定可能になっています。
バブアーのその他説明などは全て省いているので、年代推測だけの記事です。
それでは、過去のバブアーから現代にさかのぼりながら見ていきたいと思います!
灯台タグ (~30s)
※画像は復刻のタグになります。
灯台のモチーフがタグに刺繍されたタイプの物。
「BARBOURS」のブランド文字と「BEACON BRAND」「SOUTH SHIELDS」の文字が刺繍されているのが特徴です。
創業から1930年頃までに採用されており、少しづつデザインに変化を付けながらバブアーのアイコンタグとして使われていました。
ヴィンテージのショップでもほとんど見かけることはなく、僕自身も実際には見たことがありません。
本物はサイズ表記のタグが付いていないので、そこで見分けてください。(基本的にかなり年季が入っているので簡単に見分けられるとは思いますが。)
ヴィンテージ好き、古い物好きにはたまらないでしょうね。
もし、古着屋さんにあったら袖を通すだけでもしてみたい一着です。
モデルと状態にもよりますが、軽く10万円は超えるものばかりでしょう。
白タグ初期(40s)
灯台とBEACON BRANDの文字がなくなり、ブランド名と「SOUTH SHIELDS」だけが記載されたシンプルなタグ。
ポップな書体と簡易的なデザインですが、バブアーのイメージカラーである緑を採用し、今僕たちが思うバブアーらしさが少しだけ出てきたタグになっています。
30年代から40年代にかけて使用されていたようです。
白タグ後期(50s)
ブランド名が「Barbour suit」と表記されるようになり、「J.BARBOUR & SONS LTD」の文字も新しく記載されるようになりました。
直訳で「バブアースーツ」というブランド名で、その下の文字が「創業者であるジョン・バブアーとその息子たちによる株式会社」という意味になります。
20世紀に入ってから、ジョン・バブアーの息子であるマルコム・バブアーへと経営を引き継いだそうなので、このタイミングで事業に息子たちが加わったわけではないと思いますが、株式会社として設立したのがこのタイミングだったのでしょうか。
詳細は不明ですが、この後もこの「J.BARBOUR & SONS LTD」が現在まで使用されています。
黄タグ(60s~1974)
白に緑字のタグから大きく変わり黄色に緑の文字が記載されるようになりました。
バブアーのヴィンテージ好きから通称「黄タグ」と呼ばれており、1ワラントになる前のタグです。
ここからは少しは中古に出てくるものになります。
これまでの物がロイヤルワラント受賞前のモデルですね。
1ワラント(1974〜1982)
ここからイギリス王室御用達の紋章が記載される、通称1ワラントと呼ばれるタグに大きく刷新されます。
ようやく見覚えのあるブランドタグに近づいてきましたね!
1ワラントは1974年にエディンバラ公によって受賞してから、1982年までに採用されていました。
また、ここから別紙のタグによって、細かい年代推測も可能になりす。
襟の裏やポケットの裏にサイズ表記などが書かれた紙タグが縫い付けられており、ここから細かい年代の推測が可能になっています。
一番上の「FOLIO C77.210D」と書かれた文字。
Cの文字の後の数字二桁、上の場合だと「77」が製造された年代となります。
ですので、上の場合は1977年のモデルだということが分かります。
この方法で、この紙タグが付いている物は細かい年代推測が可能ということです。
2ワラント(1982〜1987)
1982年に女王陛下より2つ目のワラントを受賞し、この年から通称「2ワラント」のタグに変更されました。
今では定番のモデルとなった「ビデイル」「ビューフォート」「ボーダー」も1980年頃からリリースされており、イギリス王室御用達ブランドとして大きく成長していったことがうかがえます。
年代は1ワラントと同様「H」の後に続く2桁の数字「84」が年代を表しており、上の画像だと1984年製造と推測できます。
また、1985年頃から少しだけこの紙タグの仕様が変更されました。
「FOLIO」「STYLE」「SIZE」などの文字がなくなり、かなりシンプルな仕様に変更されました。
年代は今までどおり、一番上の数字、その前半2桁から年代を推測できます。
上の画像の場合は「85」となっているので、1985年製造であることが分かります。
3ワラント(1987〜90s)
1987年にはウェールズ皇太子殿下より最後のワラントが授与され、通称3ワラントと呼ばれる現在でも見られるタグに変更されました。
ここにきてやっと見たことのあるタグになりましたね!
ちなみに、この頃までが古着屋さんでヴィンテージとして取り扱われているものになります。
90年代と比較的新しい物もありますが、状態の良い物は現行の新品ほどの価格になることも。
とはいえ、これまでの年代と比べて状態の良い物が出てきやすいので、古着屋さんでこのあたりのシーズンの物を狙っていくのも良いかもしれません。
また、年代推測のタグも一新されます。
ブランドタグの下にバーコードの付いたタグが縫い付けられることが多くなりました。(ポケットなどに縫い付けられている物もあるようです。)
年代推測できるのはこのタグの裏部分です。
右上の画像がその裏部分となっていて、そこに記載されているバーコードの下の文字「9404366-003-0021」
この頭の2桁が年代を表しており、上の場合だと「94」、1994年の製造となります。
縦ワラント(2000年~)
ここからが現行のブランドタグ、通称「縦ワラント」と呼ばれており、今まで横並びだった3ワラントが縦に並ぶようになりました。
2020年の現在にも続いているタグで、これらの物はヴィンテージという枠組みではなく、古着またはブランド古着とされています。
現行でも横並びの3ワラントタグのものがあり、この2つがどういったものにつくのか正確なところは分かりませんが、イングランド製にはコチラの縦ワラントが付くことが多いと思われます。
また、イングランド製ではなくても、コラボや別注、復刻などにつくことはあるようです。
年代推測も少しだけ見方が変わります。
今までだとバーコード下の左から2桁が年代推測できる数字でしたが、それが3桁に代わります。
上の場合だと「002」ですね。
これが2002年製造と推測されます。
※2000年初期の製造年推測は定かではなく、上の場合だと「2000」年製造という意味で捉えている方も多いです。しかしながら、それだと中古市場に2000年ちょうどに製造されたものがあまりにも多い為、上の年代推測が正しいのではないかと個人的に推測しています。
続いて、国内に正規で入ってきている物には、代理店表記の付いたタグが縫い付けられており、1998年~2008までは「三井物産」が代理を務めていました。
その代理店タグが上の画像で、ここから年代を推測することが可能です。
上の場合は「06AW」までの英数字が年代とシーズンを表していて、2006年秋冬の物であることが推測できます。
また、移行の正確なタイミングは不明ですが、現在は、Barbour国内正規代理店「スープリームスインコポレーテッド株式会社(八木通商株式会社)」の代理店タグが縫い付けられており、こちらの上に記載されている数字から年代を特定することが出来ます。
一番上の数字の前から4桁が年代とシーズンを示しており、左上の画像の場合「18」が年代「02」がシーズンを表しています。
シーズンは「01」の場合が春夏、「02」の場合が秋冬です。
このことから左上のタグが2018秋冬、右上が2019秋冬となります。
では、こちらのタグはいつのシーズンの物でしょうか?
正解は2020年の春夏ですね!
このように代理を通った現行のものはかなり正確に年代を判別することが可能になります!
その他現行のブランドタグ
現行のブランドタグは縦ワラントだけでなく、以下の物もあります。
90年代の3ワラントに近いブランドタグ。
イングランド製でないものにこちらのタグが付いていることが多いです。
白地にグリーンのブランド文字が書かれたタグ。
シップスやビームスなどのセレクトショップ別注についていることが多いです。
終わりに
以上、バブアーの年代推測についてでした。
いかがだったでしょうか?
お探しの情報が得られていれば幸いです。
実は意外と簡単なので、一度覚えてしまえばある程度の年代推測はすぐにできてしまいます!
古着屋などで実践してみるとより理解が深まると思いますよ!
他にもブランドの年代判別情報などの記事も書いていますのでぜひご一読下さい!